恋愛小説で中国語を学ぼう!『台北Love Story』の紹介とその感想
みなさん、こんにちは。台湾人を妻に持つユウです。
緊急事態宣言が解除されて約2ヶ月が経ちますが、感染者数は再び増加傾向にあり、いつになったら落ち着くのか分からない状況ですね。私はいつ妻と子供に会えるのでしょうか・・・。息子が0歳の間、もしかしたら一度も会えないのではないかと不安を覚える日々です。
というプライベートの話はさておき、本日は恋愛ストーリーを楽しみながら中国語を学べる小説について紹介したいと思います。実際に台湾の若者が話す日常会話を楽しみながら学ぶことができる面白いう小説です。
台湾に興味があって、中国語学習をしている方は必見です。
『台北Love Story』を読もうと思ったきっかけ
私の妻は台湾人なわけですが、私はあまり中国語が得意ではありません。少しでも楽しみながら中国語を学べたらよいなと思い、この小説を読みました。また、台湾人の妻との恋人時代のことを少しで思い出せたらいいなと・・・。
『台北Love Story』はどこで読めるのか
電子書籍のみの作品で、AmazonのKindleで読むことができます。
全10章で構成されており、1章99〜120円ほどで購入できますが、1章〜10章全て入った完全版が790円で購入可能です。私は完全版を購入しました。
なお、Kindle unlimitedで読み放題の対象です。月額980円ですので、こちらのほうがお得かもしれません。
『台北Love Story』の作者は?
作者は「りとるけい」さんです。
りとるけいさんは2009年〜2014年に、実際に台湾で暮らした経験があり、そのときの経験をもとに中国語に関する書籍を執筆されているようです。(ちなみに『台北Love Story』は2017年に発売された作品です)
掲載されている中国語は台湾人ネイティブの校閲を受けているので、信頼できるものになっているので安心です。
また、りとるけいさんは『Taipei Loveストーリー』以外にも、台湾人が新入社員として登場する『横浜Love Story』、基本的な中国語会話を学べる『中国語日常会話フレーズ厳選50』などの書籍もAmazonで販売されています。(どれも表紙の女の子が可愛い感じで、検索結果に出てきたら気になってしまう人は多いと思います)
『台北Love Story』の登場人物
草刈圭(くさかりけい)
この物語の主人公。仕事の関係で台湾に駐在する27歳の独身男性(彼女なし)。大学時代に中国語を第2外国語として学ぶも、ほとんど話せない。
加藤有紗(かとうありさ)
草刈圭の元交際相手。圭とは既に別れているが、交流は続いている。台湾事情について詳しく、圭の台湾生活のよき相談相手となる。
許唯美(シュー・ウェイメイ)
この物語のヒロイン。広告会社に務める台湾人女性で、日本語を勉強中。とあることをきっかけに圭と出会う。ニックネームは「ゆみちゃん」。
日本語学校の男性講師
日本語学校の先生であり、許唯美の憧れの先生。唯美はこの先生を好きになってしまったことをきっかけに前の彼氏と別れてしまう。
『台北Love Story』のあらすじ
物語の舞台は、主人公の草刈圭が台北市内から1時間ほどかかる内湖にある会社のオフィスへ向かう途中のバスでの出来事から始まります。混雑しているバス内で、椅子に座っている圭が居眠りしかけたところに、バランスを崩した許唯美が覆いかぶさるように圭の上に倒れ込みます。この出来事が運命の出会いとなり、圭と唯美の関係がスタートします。
圭はほとんど中国語を話せませんが、運良くも唯美は日本語を学んでいたため、コミュニケーションを取ることができました。圭の提案で、二人はお互いに言葉を教えあうために、休日に会う約束をします。
デートをしながら二人は語学の向上に励み、圭は少しずつ中国語で使える表現を増やしていき、唯美との距離を縮めていきます。
圭はとある日、よかったら、週一回一緒に勉強しないかと提案しますが、毎週は無理と唯美から断られてしまいます。そしてその日、圭のもとに唯美から「本」と「學習」以外の文字は、文字化けしたメールが届きます。
これを見て圭は、元恋人の有紗に相談しますが、彼女の推測はネガティブな内容で嫌われたのではないかと、悶々とした気持ちのまま数日を過ごすことになります。結局はこの後、誤解だったと分かりますが・・・。
圭は唯美とピザ屋で食事をしているとある日、唯美が過去に4年間付き合った彼氏がいることを直接彼女から聞くことになります。しかも、その別れた原因は、唯美が日本語学校の先生を好きになってしまったからだというのです。突然の強力なライバルの出現に圭は戸惑います。
しかし、二人の曖昧な関係は、その後も続きます。クリスマスには、唯美の友達も一緒にカラオケをして過ごし、年末も別の友だちも一緒ですが、同じ時を過ごすことになります。
春節には、二人はバイクデートをしますが、大雨に降られて圭の家に避難します。そこで、二人きりになって、唯美は「我是你的誰?(わたしはあなたの誰ですか)」と圭に問いかけます。
それに対し圭は、「友達以上、恋人未満」と答えてしまいます。この回答に対し、唯美は「ずるいね」「やっぱり・・・日本人はわからないと・・・」と言われて気まずい状況になってしまいます。
さて、圭の恋は成就するのでしょうか。ここから先は、実際に小説を読んでからのお楽しみとさせていただきます。
『台北Love Story』の感想
電子書籍とは思えないほどのクオリティとボリュームのある作品でした。物語の軸もしっかりとしているし、掲載されている中国語も実用的なものばかりで役立つ内容でした。以下に私の思った魅力を4つほどお伝えします。
台湾人のことがうまく描かれている
私の妻は台湾人ですが、日本人とは性格や付き合い方も異なります。台湾人女性が時間に対してルーズなこと、たどたどしい日本語をしゃべる彼女だが、中国語を話すときは全く違う印象を受けること、普段は地味な格好でメガネを掛けているけど、週末のデートではコンタクトを入れて、気合を入れて来ることなど、私の妻とも共通している部分があって、すごく共感できました。作者のりとるけいさんも実際に台湾人と恋愛したことあるのかなと思いました。
台北旅行にまた行きたくなる描写
台北の高級百貨店「微風広場」や台北の渋谷と言われる「西門町」、台湾最大の夜市「士林夜市」、蒋介石の巨像が見れる「自由広場」など、台北観光に行ったことがある人なら知ってる有名スポットがが多く登場します。台北へ観光に行ったことがある人であれば、その時の情景が浮かんできて、また台湾旅行へ行きたくなってしまうと思います。
しっかりと中国語が学べる
全45話でストーリーは構成されており、各話の終わりには登場した中国語を解説するワンポイントレッスンがあります。序盤は「再見(さいようなら)」や「對不起(ごめんなさい)」など、初歩的な言葉が掲載されていますが、後半は「春節,如果你有時間我們可以見面嗎?(春節、もし時間があるなら会えませんか)、「之後他沒有打電話給我,也沒有接我電話(それから私に電話をかけてこなくなって、私の電話にも出なくなりました)など、そこそこ長めのフレーズも登場します。
登場する漢字は全て台湾で使用される繁体字ですが、読み方には中国大陸で使用されるピンインが振られています。(台湾で使用される注音は振られていません)
外国人と付き合うときに注意すべきことを学べる
中国語のワンポイントレッスン以外にも外国人と付き合うときに注意すべき事柄に関することも紹介されています。
著者のりとるけいさんは、日本人の曖昧さは、外国人には通用しないということを強いメッセージとして伝えたいのではないかと感じました。外国人がいる職場で、日本人的な曖昧な気遣いをしてしまうことで、逆に外国人社員を混乱させてしまう例や、「いいよ」という表現が「OK」の意味にも「NO」の意味にもなることをあげられていました。日本人だと何気なく使ってしまいますが、外国人と話すときは気をつけなければと改めて気付かされました。
また、圭が曖昧なこと言ったことに対して、唯美は「日本人、ずるい」と訝しがりますが、日本人全般に言える日本文化のウィークポイントだと思います。日本社会は減点方式で、ミスがあればすぐに犯人探しをする傾向にあると思います。大企業においても、ミスをせずに卒なく業務をこなしていった人が出世する傾向にありますよね。
しかし、今のスピードが求められる時代は、それではいけないのではないかと私は考えています。市場にできる限り早くプロダクトを投入して、スピード感を持って改善していくことが今の時代にあったやり方だと思っています。
日本経済は不況だと言われて久しいですが、これから国際競争に晒されていく中で、日本はもっと世界の標準に合わせていかなければ、世界で戦うことはできないと思うのです。
こういった感覚を養っていくためにも、多くの日本人が多くの外国人と交流する機会を作り、国際的な感覚を養っていくことができたら、日本はより競争力を高めていけるんじゃないかなと思いました。
外国人との恋愛、推奨します!!
『台北Love Story』はこんな人にオススメ
オススメの人
- 台湾に興味がある人
- 外国人との恋愛に興味がある人
- 台湾人が日常使うフレーズを学びたい人(音源は付いていませんので、一連のピンインを学んだ後がよいと思います)
以上